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ドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)の学科試験には、公式の過去問が存在しません。そのため「どんな問題が出るのか」「どれくらい難しいのか」がつかみにくいのが実情です。
この記事では、長野県松本市の登録講習機関(登録番号:T0528001)であるアソラボドローンスクール(株式会社ASOLAB.)が運営する学科試験対策アプリ「ドロスタ」の解答データから、実際に受験者がよく間違えている問題を10問ピックアップして解説します。すべて最新の教則第5版(令和8年7月7日)に準拠しています。
この記事の正答率データについて
掲載している正答率は、ドロスタで実際に解かれた解答の集計値です。
- 本記事作成時、1問あたりの解答者数は425〜838人
- これは学習中の解答を含む数値であり、本試験の正答率ではありません。「勉強の途中でつまずきやすい論点」を示すものです
カテゴリ別の平均正答率|どこが難しいのか

まず全体像です。教則の章に対応するカテゴリごとに平均正答率を出すと、難しい分野がはっきり分かれます。
| カテゴリ | 平均正答率 | 問題数 |
|---|---|---|
| 一等|無人航空機のシステム | 68% | 24 |
| 共通|無人航空機に関する規則 | 79% | 102 |
| 共通|無人航空機のシステム | 81% | 56 |
| 共通|運航上のリスク管理 | 83% | 44 |
| 共通|操縦者及び運航体制 | 85% | 41 |
| 共通|操縦者の心得 | 88% | 40 |
| 一等|運航上のリスク管理 | 89% | 23 |
| 一等|操縦者及び運航体制 | 90% | 11 |
読み取れることは2つです。
- 一等の「システム」が68%と突出して低い — 飛行性能や電波の計算問題が含まれる領域です。一等の難易度が二等と決定的に違うのがここです
- 共通では「規則」が79%で最難関 — 制度・数値・手続きの区別を問う問題が多く、しかも全102問と出題範囲が最も広い。二等受験者が最も時間を割くべき分野です
逆に「操縦者の心得」は88%と高く、常識的な判断で解ける問題が多い分野です。ここに時間をかけすぎないことも、限られた学習時間を配分するうえで重要です。
練習問題10問|正答率が低かった順に解説

ここからは実際の問題です。本試験と同じ三肢択一式で出題します。まず自分で答えを考えてから、解説を開いてみてください。
第1問|特定飛行とは(正答率 57%・499人が解答)
「特定飛行」の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
- 規制対象の空域での飛行又は規制対象の方法による飛行のいずれかに該当する飛行
- 規制対象の空域での飛行と規制対象の方法による飛行の両方に該当する飛行
- 機体認証又は技能証明が必要となる飛行
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答え:1
教則3.1.1(2)2)。規制対象の空域における飛行又は規制対象の方法による飛行のいずれかに該当する飛行を「特定飛行」といいます。いずれか一方に該当すれば特定飛行です。
「両方に該当」と読み違えると誤答になります。学科試験全体の土台になる定義なので、ここは確実に押さえてください。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの特定飛行とは
第2問|技能証明を受けた者の義務(正答率 56%・501人が解答)
技能証明を受けた者の義務として、正しいものを1つ選びなさい。
- 技能証明を受けた者は、限定された種類又は飛行方法の範囲内で特定飛行を行い、特定飛行時には技能証明書を携帯しなければならない
- 技能証明を受けた者は、特定飛行を行う場合に限らず、すべての飛行で技能証明書を携帯しなければならない
- 技能証明を受けた者は、飛行許可又は承認を受けている場合には、技能証明に付された限定にかかわらず特定飛行を行わなければならない
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答え:1
教則3.1.2(5)4)。技能証明を受けた者は、限定された種類又は飛行方法の範囲内で特定飛行を行い、特定飛行を行う場合には技能証明書を携帯しなければなりません。
「すべての飛行で携帯」は誤りです。携帯義務が生じるのは特定飛行の場合、という条件を落とさないようにしましょう。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの技能証明制度
第3問|風速の定義(正答率 53%・425人が解答)
風速を表す際の「風速」の定義として、正しいものを1つ選びなさい。
- 観測時点の瞬間的な風の速さ
- 観測時の前10分間における平均風速
- 1時間における平均風速
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答え:2
教則6.2。単に風速と言えば、観測時の前10分間における平均風速のことをいいます。平均風速の最大値を最大風速、瞬間風速の最大値を最大瞬間風速といいます。
実務では「今の風」を感覚で捉えがちですが、試験では10分間平均という定義が問われます。用語の定義問題は落とすともったいない類型です。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンと気象リスク管理
第4問|電波の減衰(正答率 53%・449人が解答)
電波の減衰に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 電波の電力密度は進行距離に比例して減少する
- 電波の電力密度は進行距離の2乗に反比例して減少する
- 電波の電力密度は距離にかかわらず一定である
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答え:2
教則4.5。電波は進行距離の2乗に反比例する形で電力密度が減少します。進行距離が2倍になると、電力密度は1/4になります。
「比例」と「2乗に反比例」の取り違えが典型的な誤答です。目視外飛行での電波到達距離を考えるうえでも実務的に重要な性質です。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの無線通信とアンテナ
第5問|レベル3.5飛行(正答率 53%・505人が解答)
レベル3.5飛行に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 第三者上空で立入管理措置を講じないカテゴリーⅢ飛行である
- 機上カメラにより飛行経路下が無人地帯であることを確認して行うカテゴリーⅡ飛行である
- 補助者の配置や看板の設置を必須とするレベル3飛行の別称である
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答え:2
教則3.1.2(2)4)c(1)。レベル3.5飛行は、機上カメラによって飛行経路下に歩行者等がいない無人地帯であることを確認して行う飛行であり、カテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)に該当します。
「3.5」という数字からカテゴリーⅢに近いものと誤解しやすいのが、正答率が下がる原因です。カテゴリーの区分とレベルの区分は厳密には一致しない点が教則にも明記されています。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンのレベル3.5飛行の要件
第6問|カテゴリーⅡA飛行(正答率 51%・512人が解答)
カテゴリーⅡA飛行に該当するものとして、誤っているものを1つ選びなさい。
- 空港周辺での飛行
- 目視外での飛行
- 催し場所上空での飛行
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答え:2
教則3.1.1(2)3)。カテゴリーⅡA飛行は、空港周辺、高度150m以上、催し場所上空、危険物輸送、物件投下、最大離陸重量25kg以上の飛行です。目視外飛行はカテゴリーⅡB飛行に該当します。
ⅡAとⅡBの区分は暗記が必要な論点です。ⅡAは「リスクが比較的高く、機体認証・技能証明があっても許可・承認が必要」な飛行、と整理すると覚えやすくなります。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンのカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲ飛行の違い
第7問|温暖前線の特徴(正答率 50%・428人が解答)
温暖前線の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。
- 突風や雷を伴い短時間で激しい雨が降る
- 層状の厚い雲が広がり、弱い雨が絶え間なく降る
- 前線通過後に気温が急激に下がる
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答え:2
教則6.2。温暖前線は層状の厚い雲が段々と広がり、弱い雨が絶え間なく降ります。通過後は北東の風が南寄りに変わります。
選択肢1と3は寒冷前線の特徴です。温暖前線と寒冷前線を対で覚えるのが定石で、この混同がそのまま正答率50%に表れています。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンと気象リスク管理
第8問|リチウムポリマーバッテリーの電圧(正答率 49%・454人が解答)
リチウムポリマーバッテリーのセル当たりの電圧として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1.5V
- 3.7V
- 12V
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答え:2
教則4.4(1)。リチウムポリマーバッテリーのセル当たりの電圧は3.7Vです。バッテリーの電圧は、セル当たりの電圧とセル数で決まります。
単純な数値問題ですが正答率49%と低く、意外な盲点になっています。「6セルなら3.7×6=22.2V」のように、セル数との掛け算まで理解しておくと確実です。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンのバッテリー
第9問|CRMスキルの5つの能力(正答率 45%・444人が解答)
TEMを効果的に実践するためのCRMスキルとして、教則に記載されている5つの能力に含まれないものを1つ選びなさい。
- 状況認識、意思決定
- ワークロード管理、チームワーク、コミュニケーション
- 疲労管理、ストレス管理
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答え:3
教則5.4。TEMを効果的に実践するための5つのCRMスキル(ノンテクニカルスキル)は、状況認識・意思決定・ワークロード管理・チームワーク・コミュニケーションです。
疲労管理・ストレス管理は安全運航に関わる重要な概念ですが、教則が挙げる5つのCRMスキルには含まれません。「もっともらしいが教則には書かれていない」という典型的な誤答パターンで、正答率45%と本記事で2番目に低くなっています。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの運航体制とCRM
第10問|模型航空機の事前届出(正答率 38%・493人が解答)
重量100グラム未満のものを含む模型航空機を飛行させる際に、国土交通省への事前の届出が必要となる空域の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 空港等の周辺、航空路内の空域(高度150メートル以上)、高度250メートル以上の空域
- 航空交通管制圏、航空交通情報圏、航空交通管制区内の特別管制空域
- 人口集中地区(DID)の上空、地表から150メートル以下の空域、緊急用務空域
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答え:1
教則3.1.1(3)7)。模型航空機については、空港等の周辺、航空路内の空域(高度150メートル以上)、高度250メートル以上の空域で事前の届出が必要です。
選択肢2の航空交通管制圏・航空交通情報圏・航空交通管制区内の特別管制空域は届出対象ではなく飛行禁止空域です。選択肢3の人口集中地区(DID)上空や緊急用務空域も届出対象ではありません。
正答率38%は本記事で最低です。「無人航空機(100g以上)」と「模型航空機(100g未満)」で適用される規制が異なるうえ、届出が必要な空域と飛行禁止空域が混同されやすいためです。
📘 この論点の詳しい解説:模型航空機の飛行規制
【補足】教則第5版で追加された論点は、まだほとんど知られていません

学科試験は2026年7月14日から教則第5版に準拠しています。第5版では新しい論点が追加されましたが、この2問の正答率は28%と40%で、集計対象341問のなかでも最低クラスでした。
解答者数がまだ少ない(58〜60人)ため参考値ですが、改訂に気づかないまま学習している受験者が多いことを示しています。古い教材を使っている場合は特に注意してください。
補足1|工業専用地域とDID規制(正答率 40%)
人口集中地区(DID)の上空における無人航空機の飛行に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 都市計画法の工業専用地域内の区域の上空では、人口集中地区であってもDIDに係る飛行の許可手続き等が不要である
- 人口集中地区は5年ごとの国勢調査の結果に基づき設定され、いかなる区域の上空でも例外なく飛行の許可が必要である
- 工業専用地域内の区域の上空であれば、夜間飛行や目視外飛行を含むすべての特定飛行を許可なく行うことができる
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答え:1
教則3.1.2(2)1)。DIDの上空は原則として飛行の許可が必要ですが、第5版で都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域については、DIDに係る許可手続き等が不要とされました。
ただし、これはDIDの規制が外れるという意味であり、夜間飛行や目視外飛行など他の特定飛行の規制まで免除されるわけではありません。選択肢3がこの引っかけになっています。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの飛行禁止空域
補足2|農薬散布の承認不要の例外(正答率 28%)
無人航空機による農薬等の空中散布について、航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定による例外に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 同号の要件を満たす場合、夜間飛行・目視外飛行・第三者から30m以内の飛行・危険物輸送・物件投下に係る飛行の承認手続き等が不要となる
- 農薬等の空中散布は、要件を満たす場合であっても物件投下に係る承認だけは別途取得しなければならない
- 農薬等の空中散布は、機体認証と技能証明を取得していれば、要件にかかわらず承認手続きなく実施できる
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答え:1
教則3.1.2(2)3)。無人航空機で農薬等の空中散布などを行う場合であって、航空法施行規則第236条の82第1項第2号で定める要件を満たす場合には、夜間飛行・目視外飛行・第三者から30メートル以内の飛行・危険物輸送・物件投下に係る飛行の承認手続き等が不要となります。
物件投下も含めてまとめて不要になる点、そして要件を満たすことが前提である点の2つが問われています。機体認証・技能証明の取得だけで無条件に不要となるわけではありません。第5版で新設された例外で、正答率28%は全341問中でも最低でした。
📘 この論点の詳しい解説:ドローンの飛行規制の例外
何問正解できましたか?
本試験の合格基準は二等で正答率約80%(50問中40問程度)、一等で約90%(70問中63問程度)です。この10問で8問以上取れていれば、学習の方向性は合っています。
ただし、ここで扱ったのは教則全体のごく一部の論点です。実際の試験ではCBT方式で問題バンクからランダムに出題されるため、特定の論点だけを覚えても対応できません。
演習量を確保するなら「ドロスタ」

この10問は、アソラボドローンスクールが運営する学科試験対策アプリ「ドロスタ」に収録されている全362問の一部です。
- 教則第5版に完全準拠 — すべての解説に根拠となる教則の章番号を明記
- 二等・一等の両対応 — 共通問題283問+一等専用問題79問を別セットで収録
- スマート学習 — 覚えた問題は出題されなくなり、苦手な問題だけが繰り返し出てくる
- 正答率ランキング — 本記事で使ったデータを、全問について確認できます
- 「操縦者の心得」40問は登録不要・無料 — ブラウザですぐに始められます
よくある質問(FAQ)
ドローン学科試験に過去問はありますか?
公式に公開されている過去問はありません。公開されているのは一等・二等それぞれのサンプル問題のみです。学科試験はCBT方式の問題バンクから出題されるため、紙の試験のような「今年の本試験問題」という形式自体が存在しません。詳しくは「ドローン国家資格の学科試験に過去問はある?」で解説しています。
学科試験で一番難しい分野はどこですか?
ドロスタの正答率データでは、二等(共通問題)では「無人航空機に関する規則」が平均79%で最も低く、出題範囲も102問と最大です。一等では「無人航空機のシステム」が平均68%で突出して低く、飛行性能や電波の計算問題が含まれます。
教則第5版と第4版で、勉強し直す必要はありますか?
全体を学び直す必要はありません。変更は一部です。ただし、小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止範囲(300m→1,000m)や技能証明の更新申請期間など、正答そのものが変わる論点があります。2026年7月14日以降に受験する方は、第5版対応の教材を使ってください。
この記事の正答率は本試験の正答率ですか?
違います。学科試験対策アプリ「ドロスタ」で実際に解かれた解答の集計値で、学習途中の解答も含みます。本試験の難易度を直接示すものではありませんが、「受験者がつまずきやすい論点」の目安としてご活用いただけます。
まとめ
- 公式の過去問はないが、教則準拠の演習で出題形式には十分慣れられる
- 正答率データでは二等は「規則」(79%)、一等は「システム」(68%)が最難関
- 間違えやすいのは「いずれか/両方」「ⅡA/ⅡB」「温暖前線/寒冷前線」のような対になる概念の混同
- 教則第5版の新論点は正答率28〜40%と低く、改訂に気づいていない受験者が多い
アソラボドローンスクール(株式会社ASOLAB./登録講習機関 T0528001)は、長野県松本市で二等・一等の国家資格コースを開講しています。学科の対策方法から実地講習まで、お気軽にご相談ください。
本記事の問題・解説は、国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版・令和8年7月7日)」に基づいて作成しています。正答率は2026年8月時点のドロスタ利用者の解答データによるものです。制度の最新状況は国土交通省および指定試験機関の公式ページをあわせてご確認ください。




