BLOG

Matrice 4TとMatrice 4TDの違い|選び方・型式認証・価格を比較

Matrice 4TとMatrice 4TDを上から見た比較イラスト。4TDのほうが大きい
目次

Matrice 4TとMatrice 4TDで迷ったら、雨天や寒冷地での出動、申請の省略が必要なら4TD、持ち運びやすさを優先するなら4Tです。カメラとサーマルの性能は同じで、差が出るのは重さ、耐候性、飛行時間、型式認証の4点です。DJI製品の購入相談も受けている株式会社ASOLAB.が、DJI公式の仕様をもとに、どちらを選ぶかをまとめました。

この記事の仕様は、2026年10月時点のDJI公式サイトの仕様表によります。当社は4Tと4TDを実機で飛行させた経験はなく、仕様と公表情報にもとづいて比較しています。当社が運用しているサーマル機は、Mavic 3TとMatrice 400 RTK+Zenmuse H30Tです。

Matrice 4Tと4TDの違いは?

違いは4点です。

  1. 重さと携帯性: 4Tは1,219gで折りたためる。4TDは1,850gで、アームは折りたためない
  2. 耐候性: 4TDは保護等級IP55で、動作温度は-20〜50℃。4Tは-10〜40℃で、保護等級の記載がない
  3. 飛行時間: 4Tは49分、4TDは54分(いずれも無風時)
  4. 型式認証と、Dock 3への対応: 4TDは第二種型式認証を取得していて、Dock 3にも対応する。4Tは型式認証もDock 3も対象外
Matrice 4Tは折りたたむと小さくなり、Matrice 4TDはアームを折りたためないことを示す比較イラスト
4Tは折りたたみ時260.6×113.7mm、展開時307.0×387.5mm。4TDは377.7×416.2mmで折りたためない(プロペラを除く)

カメラ、サーマル、レーザー距離計、NIR補助ライトは共通です。詳しい数値は、次の表のとおりです。

仕様を比較すると

項目Matrice 4TMatrice 4TD
機体重量(プロペラ装着時)1,219g1,850g
サイズ折りたたみ時 260.6×113.7×138.4mm377.7×416.2×212.5mm(プロペラなし)。アームは折りたためない
最大飛行時間(無風時)49分54分
最大ホバリング時間(無風時)42分47分
保護等級記載なしIP55
動作環境温度-10〜40℃-20〜50℃
耐風(離着陸時)12m/s12m/s
可視カメラ広角・中望遠・望遠、各48MP同じ
サーマル640×512(超解像で1280×1024)同じ
レーザー距離計1,800m1,800m
NIR補助ライトありあり
送信機DJI RC Plus 2 EnterpriseDJI RC Plus 2 Enterprise
第二種型式認証国交省の一覧(2026年6月19日現在)に掲載なし2026年6月19日付で取得
Dock 3非対応対応

飛行時間は無風・標準プロペラなどの条件で測った値で、実際の運用では短くなります。耐風12m/sは、4Tでは離着陸時の値です。

出典: DJI Enterprise 小型ドローン比較、DJI Matrice 4 シリーズ仕様

サーマルの見え方は?当社の検証から

4Tと4TDのサーマルは、640×512(超解像で1280×1024)です。当社が2025年11月に松本市で行った熊対策の検知テストでは、1280×1024のZenmuse H30T(Matrice 400 RTK)は熱源の位置と輪郭を明瞭に捉え、640×512のMavic 3 Thermalは熱源を確認できるものの、視認性はH30Tに劣りました(検証レポート)。4Tと4TDは当社で飛ばしていないため、同じ見え方になるとは言えません。

建物の外壁を撮影した赤外線画像(左)と可視光画像(右)の例
当社が外壁点検で撮影した赤外線(左)と可視光(右)の画像の例。4Tと4TDで撮影したものではありません

どちらを選ぶ?3つの問いで決める

職員や作業員が現場へ持参して飛ばすなら、次の順に答えると決まります。

Matrice 4TとMatrice 4TDの選び方のフロー。雨・雪・氷点下で飛ばす、または申請を省略したいなら4TD、携帯性が最優先なら4T
選び方のフロー。上から順に答える
  1. 雨・雪・氷点下でも飛ばす必要があるか。あるなら4TD
  2. 夜間や目視外などの申請を省略して、機動的に飛ばしたいか。そうなら4TD
  3. 徒歩での搬送や、狭い車載スペースなど、携帯性が最優先か。そうなら4T

どれにも当てはまらなければ、どちらでも運用できます。将来Dock 3を足す可能性があるなら4TDです。

業務ごとに見ると、使い分けは次のとおりです。

想定する業務向く機体理由
徒歩で入る現場、公用車に常時積んでおく初動用4T1.2kgほどで折りたため、背負って運べる。収納が小さく、積みっぱなしにしやすい
降雨・降雪や、寒冷地・高温下での災害状況の確認4TDIP55で、動作温度が-20〜50℃と広い
夜間の確認、火災現場の熱源・残火の確認どちらも可センサーは同じ。徒歩で運ぶなら4T、悪天候や長時間なら4TD
河川・道路・斜面の定期確認どちらも可晴天時の巡回なら4Tで足りる。出水直後の確認が主なら4TD
広い範囲を1回の飛行で見る4TD飛行時間が約5分長い

4TDの型式認証で何が変わる?

Matrice 4DシリーズのMatrice 4DとMatrice 4TDは、2026年6月19日付で第二種型式認証を取得しました。国土交通省の一覧(2026年6月19日現在)に機体の型式として掲載されていて、Matrice 4Tは載っていません。4Tは、従来どおり飛行許可・承認の申請を前提に計画します。

ただし、型式認証は機種の設計と製造を国が認める制度で、購入しただけでは申請を省略できません。1機ごとに受ける機体認証と、二等無人航空機操縦士以上の技能証明がそろうと、人口集中地区上空、夜間、目視外、人や物件から30m未満の飛行の申請を省略できます。夜間と目視外は、技能証明の限定解除も必要です。第三者の上空は飛べず、立入管理措置が前提です。飛行の条件の詳細は、無人航空機飛行規程に従います。

出典: セキド「DJI Matrice 4D シリーズが第二種型式認証を取得」、国土交通省の一覧

Dock 3とは?

Dock 3は、ドローンを格納して、自動の離着陸と充電を行える、DJIのドローンポートです。24時間365日のリモート操作に対応し、DJI FlightHub 2と連携して運用します。重さは55kg(機体を除く)で、保護等級はIP56、電源は100〜240V(AC)です。車両への搭載にも対応しています。

Dock 3の上にMatrice 4TDがあり、DJI FlightHub 2を通じて事務所のパソコンから遠隔で操作するイメージのイラスト
Dock 3とMatrice 4TDのイメージ。事務所のパソコンからDJI FlightHub 2を通じて遠隔で運用する

対応するのは4Dシリーズの機体だけで、4Tは使えません。4TDを選んでおけば、あとからDock 3を足せます。Dockがなくても、送信機で飛ばせます。

出典: DJI Dock 3、DJI Dock 3 仕様

価格の目安は?

2026年10月時点の、DJI Storeでの販売価格の例です。

商品価格(税込)内容
Matrice 4T Plusコンボ1,227,600円機体、バッテリー、DJI RC Plus 2 Enterprise、100W電源アダプター、充電ハブ、キャリングケースなどのセット
Matrice 4TD Worry-Free Flagshipコンボ1,504,580円機体、バッテリー、DJI RC Plus 2 Enterprise、240W電源アダプター、240W充電ハブ、キャリングケース、低ノイズ抗着氷プロペラなどのセット

4Tと4TDは、コンボの種類と内容が違うため、金額だけを並べて比べることはできません。価格は販売店や時期によって変わるので、参考値としてご覧ください。4TDで申請の省略を狙う場合は、機体認証の手数料と資格の取得費が別にかかります。

撮影した赤外線画像は、どのソフトで解析する?

4Tと4TDで撮った画像も、DJI独自のR-JPEG形式で保存され、FLIRなど他社のソフトではそのまま温度を読み取れません。当社は、DJI機の赤外線画像をFLIR R-JPEGやTIFFに変換する「CRITIR Convert(クリティアコンバート)」と、解析から報告書の作成までを行う「CRITIR(クリティア)」を開発しています。変換の方法は、DJI赤外線画像をFLIR形式に変換する完全ガイドで解説しています。

まとめ

  • カメラとサーマルは同じ。悪天候での出動や申請の省略が必要なら4TD、携帯性を優先するなら4T
  • 4TDは第二種型式認証を取得済みで、Dock 3も後から足せる。ただし申請を省略するには、機体認証と技能証明が要る

よくある質問

Matrice 4TDのほうが新しくて高性能なのですか?
カメラ、サーマル、レーザー距離計の仕様は4Tと同じです。違いは耐候性、飛行時間、型式認証、Dock 3への対応で、代わりに4TDは重く、アームを折りたためません。
Matrice 4TDはDock 3がないと使えませんか?
使えます。DJI RC Plus 2 Enterpriseと組み合わせて、送信機で飛ばせます。Dock 3は後から足すこともできます。
雨の日に飛ばせるのはどちらですか?
保護等級IP55の4TDです。4Tは保護等級が公表されていないので、雨天の飛行は前提にしません。
4TDなら飛行許可・承認の申請を省略できますか?
第二種機体認証を受けた機体と、二等無人航空機操縦士以上の技能証明がそろえば、人口集中地区上空などの申請を省略できる制度です。型式認証を取得しているだけでは省略できません。
持ち運びやすいのはどちらですか?
4Tです。重さは1,219gで、アームを折りたためます。4TDは1,850gで、アームを折りたためません。
Matrice 4TとMatrice 4TDの価格はいくらですか?
2026年10月時点のDJI Storeでは、Matrice 4T Plusコンボが1,227,600円(税込)、Matrice 4TD Worry-Free Flagshipコンボが1,504,580円(税込)です。コンボの種類と内容が違うので、金額だけで比べることはできません。価格は販売店や時期で変わります。

Matrice 4T・4TDのご相談は株式会社ASOLAB.へ

株式会社ASOLAB.の店舗外観

当社は長野県松本市を拠点に、赤外線による点検などのドローン業務を行っています。DJI製品のご購入のご相談も承っています。用途や運用の体制をうかがったうえで、Matrice 4TとMatrice 4TDのどちらが合うかをご案内します。

赤外線点検とは?外壁・屋根・太陽光の調査・診断方法、費用、12条点検との関係を解説

赤外線点検とは、赤外線カメラで表面温度の違いを可視化し、外壁の浮き、屋根の漏水、太陽光パネルの異常発熱などを非接触で調査する方法です。ドローン点検との違い、12条点検との関係、費用の考え方、業者選びのポイントを解説します。

株式会社ASOLAB.続きを読む →

ドローンでできる熊対策|赤外線カメラ・ズーム撮影で安全確認【2025年最新】

2025年は熊の出没や被害が全国で急増。ドローンの赤外線カメラ・ズーム撮影・自動航行を活用すれば、夜間や山林での安全確認・見回りが可能です。ASOLAB.が考える熊対策・地域防災への活用方法を紹介します。

株式会社ASOLAB.続きを読む →