東京消防庁は2025年度から、
上空から火元に向けて放水する「消火活動用ドローン」の研究開発を開始する。
木造住宅密集地域(木密地域)の延焼防止や、
高層マンション火災への迅速な対応を目的とし、
2026年度中の実用化を目指す。
都内には、延焼リスクの高い木密地域が約7100ヘクタールあり、
狭い路地で消防車両の進入が困難な場所も多い。
また、マンション火災の割合が高く、
昨年11月には文京区のマンション火災で鎮火まで9時間を要した事例もある。
こうした背景を受け、東京消防庁は新たな消火技術の導入を決定した。
消火用ドローンは、高度20メートル以上の上昇が可能で、
水平方向に12メートル以上放水できる性能を想定。
毎分130リットル(屋内消火栓と同程度)の放水能力を持ち、
消防署に配備して初期消火に活用する計画だ。
給水方法については、ホース直結型やタンク搭載型の方式が検討されている。
開発にあたっては、耐熱性や墜落防止対策、
上空からの映像をリアルタイムで地上に送信する機能などが課題となる。
運用前には安全対策を含めた運航指針も策定する予定。
2025年度予算案には、研究開発費として2億4000万円が計上された。
現在、消防用ドローンは主に情報収集に活用されているが、
消火機能を備えた機体が実用化されれば国内初となる。
全国の消防本部でも導入が検討される可能性があり、
都市型火災や災害時の消防活動に大きな影響を与えると期待されている。
参考記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/78473f249b60a93af46aaeed7fd647821b4a4c39