2025年、
世界最高峰エベレストで、
ドローンによる物資運搬が本格的に導入されました。
この取り組みは、登山の在り方を大きく変える可能性を秘めています。
危険な登山ルートを、ドローンがサポート
これまでエベレスト登山では、
現地のシェルパたちが数十キロの装備を背負い、
危険な氷瀑や氷河を越えて荷物を運ぶことが日常でした。
事故や命の危険と隣り合わせの過酷な環境で、多くの犠牲も払われてきました。
そんな状況を変えようと立ち上がったのが、
ネパールのスタートアップ企業「Airlift Technology Pvt. Ltd.(エアリフト・テクノロジーズ)」。
同社は、ドローン操縦士のミラン・パンデイ氏を中心に、
DJI社製の大型ドローンを活用し、
ベースキャンプ(標高5,364m)から第一キャンプ(6,065m)までの物資運搬を実現しました。
たった6分で完了。シェルパの負担を大幅軽減
ベースキャンプから第一キャンプまで、
シェルパが登るには6~7時間かかります。
しかし、ドローンであれば約6分で到達可能です。
実際に運搬したのは、
はしごやロープ、酸素ボンベといった命に関わる装備品。
さらには、清掃活動にも貢献し、
500kg近いごみを回収するなど環境保護にも役立っています。
登山だけでなく、捜索・救助にも活用
ドローンは物資運搬にとどまらず、
遭難者の位置特定や救命装備の投下など、
山岳救助にも活用されています。
危険なルートの事前偵察にも使われており、
事前に小型ドローンでルートを確認し、安全性を向上させています。
技術と伝統の融合で「新しい登山のカタチ」へ
エアリフト社のビクラムCEOは
「私たちのドローン技術と、シェルパが持つ山の知識を融合することで、
登山の安全性を飛躍的に高められる」と語ります。
これにより、危険な仕事を敬遠していた人材が登山界に戻る可能性も期待されています。
登山案内企業「アドベンチャー・コンサルタンツ」のキャロライン・オーグル氏も、
「ドローンは登山の進化の一環。
衛星電話や気象予測のように、
今後は当たり前の技術になるだろう」とコメントしています。
ドローンによる物資運搬と支援活動は、
エベレスト登山に新たな安全性と効率性をもたらしました。
人の命を守りながら環境にも配慮できるこの取り組みは、
まさに「登山の未来」を切り開く第一歩です。
今後、他の高山地域でも同様の技術活用が進むことでしょう。
参考記事
https://www.cnn.co.jp/travel/35232140.html
画像(https://www.cnn.co.jp)