夢の「ドローン宅配」が、いよいよ現実に近づいています。
NASA(米航空宇宙局)が開発したUTM(無人航空機システム運航管理)は、
ドローン同士の飛行経路をクラウド上で共有し、
衝突を未然に防ぐ運航管理システム。
このシステムにより、
大量のドローンを安全に飛ばすための「空のインフラ」がついに整備されつつあります。
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが2013年に提唱した
「30分で荷物を届けるドローン構想」から約10年。
ようやくその実現に必要な条件が整ってきました。
従来の航空管制ではドローンの管理が難しいため、
NASAは航空管制官に頼らない新しい仕組みを構築。
操縦者はネットワーク上で飛行経路を共有し、
互いにリアルタイムで位置情報を把握できます。
UTMでは、天候や障害物、他のドローンの動きを考慮し、
最適なルートが自動で再計算されます。
すでにアメリカでは、
Google系のWingやZiplineなど複数の企業がUTM対応の宅配ドローンを都市部で運用中。
2024年にはFAA(米連邦航空局)が、
複数のドローンが同一空域で同時に飛行することを正式に許可しました。
さらに、FAAは「Part 108」と呼ばれる新しい航空規則の導入を検討しており、
これにより目視外飛行(BVLOS)が大幅に拡大される見込み。
ローンによる医薬品配達、防犯対応、遠隔地支援などの活用が、一気に現実味を帯びてきました。
競合する企業同士であっても、UTMにおいては協調が不可欠。
ZiplineやFlytrex、DroneUpといった企業は、
空中衝突を防ぐために飛行予定を互いに公開し合い、
業界全体で「空の秩序」を保つ動きが進んでいます。
今後、ドローン物流が私たちの暮らしにどう定着していくか。
UTMはそのカギを握る、未来の空のインフラといえるでしょう。
参考記事
https://www.technologyreview.jp/s/360657/nasa-has-made-an-air-traffic-control-system-for-drones/
画像(https://www.technologyreview.jp)
https://www.technologyreview.jp/s/360657/nasa-has-made-an-air-traffic-control-system-for-drones/