太陽光発電所の点検、ドローンでできること・できないことを徹底解説

2025.09.29 | ドローンブログ

太陽光発電所の点検は、発電効率と安全性を維持するために欠かせません。
対象はパネルから接続箱、パワーコンディショナ(PCS)、高圧受電設備(キュービクル)まで多岐にわたります。

その中で、ドローン赤外線点検が特に力を発揮するのは「パネルまわり」です。
本記事では、ドローンでできること・できないことを整理し、株式会社ASOLAB.(松本市)の取り組みを紹介します。

太陽光発電所の点検対象はどこか

発電所で点検対象となる主な設備は以下の通りです。

  • 太陽光パネル(モジュール)
  • 接続箱・ケーブル
  • パワーコンディショナ(PCS)
  • キュービクル(高圧受電設備)

いずれも正常に機能してこそ、安定した発電につながります。

ドローンでできる点検はパネル中心

当社では DJI Mavic 3 Thermalや、Matrice 350 / 400 RTK に H20T / H30T を搭載し、発電所全体を上空から効率的にスキャンしています。

赤外線カメラで確認できる異常例は以下のとおりです。

  • ホットスポット:セルの破損、はんだ不良、PID劣化などによる局所的な発熱
  • ストリング異常:断線や逆接続による不均一な温度パターン
  • 影・汚れ・鳥害:落ち葉や鳥の影響による局所加熱
  • 広域スキャン:数千枚規模のパネルを短時間で俯瞰し、異常位置をマップ化

検出したデータは可視画像と合わせて赤外線画像でも同時にデータ取得し整理し、報告書で提供しています。

ドローンは「広範囲を短時間でスクリーニングできる一次診断ツール」として非常に有効です。

ドローンではできない点検もある

一方で、以下のような点検はドローンの対象外です。

  • 接続箱:内部端子の温度測定や電流バランス確認は地上での開放点検が必要
  • PCS(パワーコンディショナ):外装の温度は見えても、保護回路や性能確認には計測器が必須
  • キュービクル:高圧機器の健全性確認は、資格者による保安点検の範囲

ドローンは「発電所全体の一次スクリーニング」に特化し、詳細診断は人の手で行う必要があります。

ドローン点検の現場イメージ

1MW級のメガソーラーでは、パネルはおよそ3,000枚に及びます。
人が1枚ずつサーモカメラで確認すると丸一日以上かかりますが、ドローンを使えば 30分程度で全体をスキャンできます。

赤外線画像に映る「白い点」がホットスポット。
これはそのまま “発電ロスのサイン” であり、異常を早期に把握することが可能です。

さらに、メガソーラーのような広大な設備では、各アレイごとに「動画(可視+赤外線)」で撮影しながら点検を行います。
静止画を1枚ずつ切り出す方法に比べて、撮影時間を大幅に短縮できるのが大きな特徴です。
また、動画データは後からの確認やアレイ単位での比較が容易で、効率的かつ再現性の高いデータ管理につながります。

まとめ

太陽光発電所の点検は「パネルからキュービクルまで」広範囲にわたります。
その中でドローン赤外線点検は、パネル点検を効率化する唯一の手段として国際的にも認められています。

株式会社ASOLAB.では DJI Mavic 3 Thermalや、Matrice 350 RTK / 400 RTK と H20T / H30T を活用し、可視画像と合わせて赤外線画像でも同時にデータ取得し整理
加えて、メガソーラーでは各アレイごとの「動画(可視+赤外線)」点検を採用することで、撮影時間の大幅短縮とデータの再現性向上を実現しています。
この二つを組み合わせることで、広大な発電所でも短時間で異常箇所を把握できる体制を整えています。

さらに、株式会社ASOLAB.はドローン点検の専門家の立場から、販売や施工に左右されることなく、公平に診断を行えるのが特徴です。
そのため、発電所の現状をフラットに評価し、安心して次の判断に活かしていただけます。

ドローンによる赤外線点検にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。