フィンランドの防衛・航空大手Patriaは、
2024年夏に同国の業務用ドローンメーカーNordic Dronesを買収し、
無人システム事業を大幅に強化したことを発表した。
この買収により、
フィンランドの防衛産業における輸出機会が大きく広がることが期待されている。
3つの最新ドローンを発表:「SKY」「ONE」「GEO」
Patriaは今回の事業拡充を機に、
「Patria SKY」「Patria ONE」「Patria GEO」という3つの最先端ドローンを公開した。
これらのドローンは、セキュリティ、戦術作戦、測量
といった多様な分野での活用が見込まれている。
Patria SKY:長距離飛行対応の多目的ドローン
「Patria SKY」は、セキュリティ業界の専門オペレーターと共同設計された、
マルチミッション対応の長距離ドローンだ。
過酷な気象条件下でも稼働でき、フィンランド当局の認証を取得している。
防衛・セキュリティ分野での即応力向上が期待される。
Patria ONE:モジュール設計を備えた多用途型ドローン
「Patria ONE」は、モジュール式設計により、
無線・光ファイバー制御、交換可能なペイロード(爆発物対応含む)、
テザー接続など多様な構成に対応する。
さらに、爆発物運搬時の安全を確保する3段階の安全システムを搭載。
タクティカルバックパックに収納可能で、現場への持ち運びや即時展開が容易である。
Patria GEO:高精度地形マッピングドローン
「Patria GEO」は地形マッピング専用ドローンで、
最大74分間の飛行で100ヘクタール以上の範囲を高精度に測定することが可能。
搭載された42Mpxカメラは、飛行高度150メートルから2cmの地上サンプル距離(GSD)で撮影でき、
測量・建設・インフラ点検などでの活用が期待される。
フィンランド国家戦略への貢献と欧州での取り組み
Patriaは、フィンランドの国家ドローン戦略に基づき、
国内外の共同開発プロジェクトにも積極的に参加している。
eALLIANCEプロジェクト:
フィンランドの民間・防衛部門が連携し、安全技術を基盤とした新たなビジネスチャンス創出を推進。
ACTUSプロジェクト(欧州防衛基金支援):
欧州全体のドローン開発および戦術ドローンシステムの機能向上・認証取得を目指している。
国際市場での競争力強化へ
今回のNordic Drones買収により、Patriaは無人航空分野での競争力を飛躍的に高め、
フィンランド防衛産業の国際輸出機会を拡大する構えだ。
特に「Patria ONE」のモジュール設計と「Patria GEO」の高精度測量機能は、
軍事用途だけでなく、民間市場でも大きな需要が期待される。
今後、Patriaはフィンランド国内外でのさらなる展開を図り、
欧州および国際市場での存在感を強化していく方針だ。
参考記事
https://www.drone.jp/news/20250216142312111220.html
画像(https://www.drone.jp)