2022年にスタートしたドローンの国家資格「無人航空機操縦士技能証明」。中でも、これまで実現が難しかった都市部などでの補助者なし目視外飛行(レベル4)を可能にする「一等資格」に、大きな期待と注目が集まっています。
この「一等資格」とは何なのでしょうか。「二等資格」との違いはどこにあるのでしょうか?
一等と二等では何が違う?
ドローンの国家資格には2種類あり、「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」と呼ばれています。
この違いを一言で言うと、どの「飛行レベル」まで対応できるかです。
飛行レベルは1〜4まであり、レベルが高くなるほどリスクが高くルールも厳しい飛行となります。
二等が対応する飛行レベル
二等資格でカバーできるのは、レベル1~レベル3.5までです。それぞれのレベルについて整理してみましょう。
レベル1 ― 目視内・手動操縦

肉眼で機体を見ながらプロポで操縦する、もっとも基本的なドローン飛行がレベル1に該当します。
特定飛行(人口密集地・夜間飛行など)にあたらなければ、許可・承認は原則不要です。
レベル2 ― 目視内・自動/自律飛行

肉眼で機体を見ながら、あらかじめ設定したルートを自動で飛ばす飛行です。
測量や点検、農薬散布などでよく使用される飛行方法です。
レベル3 ― 無人地帯・目視外・補助者なし

人がいない山林や離島などに限り、補助者を置かずして操縦者の目が届かない範囲まで飛行が可能になります。
大規模な測量などに活用ができますが、飛行ルート下に第三者が立ち入る可能性のある場合には立入管理措置(スタッフや看板・バリケードの配置)を講じることが重要な条件となります。
レベル3.5 ― レベル3の要件緩和版
基本的にはレベル3と同じ「無人地帯・目視外飛行・補助者なし」での飛行が可能ですが、以下の3条件を満たすことで立ち入り管理措置を省略できるレベル3.5が2023年に新設されました。これによりレベル3飛行の運用ハードルがぐっと下がったと言えるでしょう。
立ち入り管理措置を省略できる条件
- 国家資格の保有
- 対人対物保険
- 機体カメラで地上が無人であることを確認
一等が対応する飛行レベル
一等資格ではこれまでのレベル1~レベル3.5を含む、レベル4までの全てのレベルに対応できます。
レベル4 ― 有人地帯・目視外・立入管理措置なし

レベル3(レベル3.5)とは異なり、有人地帯での目視外飛行が可能になります。補助者や立ち入り管理措置も必要ありません。
これにより、例えば都市部でのドローン配送、警備巡回などが可能になります。
一等と二等ではどちらを選ぶべき?
対応する飛行レベルを見ていただくと分かるとおり、一般的な飛行のさせ方であれば二等で十分カバーできます。業務上どうしてもレベル4飛行を行う必要がなければ、通常はまず二等の取得がおすすめと言えるでしょう。
ただし、より社会的信用・信頼性の高い一等取得を目指したい、という方もいるでしょう。その場合、費用や難易度は二等を目指す場合とどの程度変わってくるでしょうか?
一等と二等、費用と難易度の違い
費用の違い
長野県松本市のドローンスクール「スカイファイト松本」の場合、一等と二等の講習費用は以下のとおりです。
一般的に一等講習は二等講習より3倍近く高額になり、100万円近くかかるスクールもあるため慎重な検討が必要です。
料金 (初学者) | 料金 (民間資格保有者) | |
---|---|---|
二等講習 | 280,000円 | 105,000円 |
一等講習 | 743,000円 | 291,000円 |
難易度の違い
学科試験・実地試験ともに一等のほうが求められる知識や技術のレベルは高くなります。
正式な合格率などは公表されておりませんが、おおよそ二等よりも一等のほうが合格率は10~20%程度下がるようです。
一等学科試験 | 二等学科試験 | |
---|---|---|
形式 | 三肢択一式 | 三肢択一式 |
試験時間 | 75分 | 30分 |
問題数 | 70問 | 50問 |
合格正答率 | 90%程度 (63問以上正解) | 80%程度 (40問以上正解) |
出題範囲 | 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠 | 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠 |
スカイファイト松本について

株式会社ASOLABのドローン事業部「スカイファイト松本」では筆記から実技、アフターサポートまでワンストップで支援する国家資格講習を提供しています。
多くの卒業生を輩出してきた経験からより洗練されたカリキュラム。実際に測量・点検・空撮などの業務にあたるプロパイロットが丁寧に指導します。
プランやスケジュールに関するご相談など、ぜひお気軽にご連絡ください。