DIPS登録側(DRS)の“機体一覧”を整理|再登録・再提供の違いと申請側へ影響するポイントを解説

2025.11.25 | ドローンブログ

DIPS2.0 には
・申請側(飛行許可・操縦者設定)
・登録側(機体登録システム/DRS)
という2つの仕組みがあります。

前回の記事では申請側の「3つの機体一覧」を整理しました。


今回は 登録側(DRS)にある機体一覧と、申請側にどう影響するのか を実務視点でまとめます。

1.登録側(DRS)とは?|目的と扱う情報

登録側(DRS)は “無人航空機の登録制度” に基づき、
国に対して機体情報・所有者情報を登録する場所 です。

扱う主な情報は次のとおり:

  • 所有者情報(氏名/法人名・住所)
  • 機体識別情報(型式・製造番号・製造者名 など)
  • 登録記号(例:JX-xxxx)
  • 使用者情報(その機体を使う個人・企業)
  • 提供設定(他アカウントへ使用権を付与)

申請側との役割の違い

登録側(DRS):機体の“台帳”と“身元情報”を管理
申請側(DIPS):その機体で飛行許可を取るための“運用管理”

申請側は 運用
登録側は 機体情報の原本管理 という関係です。

2. 登録側に存在する4つの“機体一覧”

登録側には次の一覧があります:

所有機体一覧(所有者アカウントが管理)

そのアカウントが「所有者」として登録している機体が並びます。
識別情報(型式・製造番号等)はここで確認できます。

使用者一覧

その機体を使う個人を管理します。
(※ここで登録した使用者は提供先アカウントとは異なります)

使用者と提供先アカウントとの違い

項目位置申請側への影響関係性
使用者(DRS)機体登録システム直接影響なし単なる登録情報
提供先アカウント(DIPS)申請側(使用権の付与)表示・申請可否に直接影響“使用権を渡す”操作

検索画面(登録記号/使用者で検索)

他者から提供された機体を含めて検索可能

提供先アカウントに表示される「提供済み機体一覧」

飛行許可・承認メインメニュー>無人航空機情報の登録・変更>他アカウントへ提供中の機体情報の参照・解除

他アカウントに提供している機体を一覧化。
申請側から見える機体はここを経由します。

申請側の②③(機体マスタ/操縦者紐づけ)は、この「提供済み機体一覧」に依存しています。

3. 申請側に影響する「変更できない項目」と再提供が必要なケース

登録側(DRS)で行う変更には、申請側に影響するものが大きく分けて2つあります。

  • 再登録(DRS側)
     機体識別情報を変更した結果、新しい登録番号が発行されるもの。
     → 旧機体とは別扱いとなり、申請側(②③)に表示されなくなる。
  • 再提供(申請側へ)
     所有者情報の変更や提供解除などにより、申請側から見えなくなるもの。
     → 所有者側が再度「情報提供」を行う必要がある。

以下の表は、登録側のどの項目を変更すると 申請側の②③に影響が出るのか をまとめたものです。

画面表示項目区分変更時の扱い
型式名機体識別情報再登録が必要 → 新しい登録記号になる → 申請側一覧から外れる
製造番号機体識別情報再登録が必要 → 同上
製造者名機体識別情報再登録が必要→ 同上
機体の種類機体識別情報再登録が必要→ 同上
登録記号機体識別そのもの変更不可(新規登録扱い)
所有者機体登録の主体提供解除 → 申請側一覧から消える
使用者管理情報再提供が必要な場合あり

4. 申請側に影響がない機体登録の変更

  • 担当者名
  • 担当者の電話番号・メールアドレス
  • 使用者(飛行者)情報
  • リモートID関連の状態(書込済/未実施 等)
  • 改造の有無(軽微な変更)

ただし、誤った担当者情報は
提供先に反映されない / 申請側アカウントと整合しない
など、実務の混乱につながるため注意が必要です。

5. 登録側を整理しておくと申請がスムーズな理由

① 申請側(②③)への反映が正確になる

  • 登録側が乱れていると “②に出ない機体” が頻発します。

② 再登録の影響を把握できる

  • 識別情報を触ると申請側の機体一覧が変わるため、
    運用中の許可申請に影響がでる前に判断できる。

③ 提供アカウントとの整合性がとれる

  • 会社アカウント → 個人アカウントへの提供が綺麗に管理できる。

6. 実務で迷ったときのチェックポイント(登録側)

チェック項目内容
変更したい情報は識別情報(型式・製造番号・製造者名・機体種別)か再登録(新しい登録記号) が必要
所有者が変わっていないか変わったら 提供が外れる → 申請側に再提供が必要
使用者情報は最新か変更後に申請側一覧へ表示されているか確認
提供設定は有効か外れていれば再提供が必要

7. まとめ

  • 登録側(DRS)は 機体の識別情報と所有者情報を国に登録する場所
  • 識別情報は変更できず、変更=再登録(登録番号が変わる)
  • 再登録すると提供設定が消え、申請側一覧からも外れる
  • 担当者情報の変更は影響なし(ただし反映チェックは必要)
  • 登録側の整理が申請側の②③の正確性につながる

一覧が揃わない原因の“半分”は登録側にある
これを理解しておくと、現場の混乱が大幅に減ります。

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