ドローンでできる熊対策|赤外線カメラ・ズーム撮影で安全確認【2025年最新】

2025.10.24 | ドローンブログ

1. 背景:全国で増える熊の出没・被害

2025年は、熊の目撃や被害報告が全国的に急増しています。
4月以降、人身被害は108件(重軽傷含む)死亡者は9人と過去最多(2025年10月時点)に達しました。
出没場所も山間部にとどまらず、住宅地や農地周辺など、これまで安全とされてきた地域にも広がっています。

一方で、見回りや警戒には人手が必要で、夜間や山林内では安全な確認が難しいという課題があります。
こうした中、ドローンによる上空からの監視・確認が新たな手段として注目されています。

出典:テレビ朝日ニュース(2025年10月)ダイヤモンド・ライフ(2025年9月)

2. ドローンでできる熊対策

熊対策におけるドローンの主な役割は、
「発見・確認」「記録・共有」「警戒・見回り」の3つに分けられます。

目的ドローンでできること主な機能・活用機種
① 発見・確認赤外線カメラで熊の体温を検知し、ズーム撮影で安全に様子を把握。夜間でも遠隔から確認可能。赤外線カメラ(Mavic 3 Thermal / Matrice 400 RTK)
② 記録・共有撮影した映像や位置データを地図上に記録し、出没エリアの座標取得が可能。地上チームとの情報共有を効率化でき、発見後の対応判断を迅速化。ズーム撮影・位置情報記録(Mavic 3 Enterprise)
③ 警戒・見回り自動航行ルートを設定し、定期的な巡回や監視が可能。スピーカー搭載機では音声による威嚇や注意喚起も行える。
さらに、Dock3 や Matrice 4TD などの新型システムでは、完全無人での自動発進・荒天運用にも対応し、24時間体制の監視が視野に入っている。
自動航行・スピーカー(Matrice 400 RTK ほか)

これらの機能を組み合わせることで、
人が現場に立ち入らずに安全な距離から出没状況を確認・記録・共有できます。

3. 各地で始まるドローン活用の動き

全国では、熊の出没対応にドローンを活用する試みが増えています。
赤外線カメラやズーム撮影などを用い、「人が近づけない場所を空から確認する」動きが広がりつつあります。

活用事例(2024〜2025年)

  • 秋田県 仙北市(2024年6月)
     古城山周辺で、赤外線センサー搭載ドローンを高度約100mで飛行。
     キツネなどの動物を赤外線で捉え、「熊の生息状況の把握に有効」と市が報告しています。
     出典:仙北市IoT推進ラボ(IPA)
  • 北海道 名寄市(2024年6月4日)
     市・警察・地域団体が連携し、ドローンを活用した出没対応協定を締結。
     スピーカー搭載機によるモニタリングや避難誘導訓練を実施。
     出典:道北ネット
  • 長野県 飯山市(2025年4月〜5月)
     住宅街近くで熊による人身被害が発生。
     その後、赤外線搭載ドローンによる藪内探索が行われ、捜索中に熊1頭を発見・駆除。
     空撮映像が出没区域の特定と安全確認に活用されました。
     出典:FNNプライムオンライン

こうした事例では、次の点が共通しています。

  • 夜間や薄暗い環境でも、赤外線カメラで安全に監視が可能
  • 山林や藪など、人が入りにくい場所を上空から確認
  • 撮影データを活用し、出没対策や警戒区域設定の検討に利用

このように、ドローンによる安全確認と情報共有が、
地域の新しい熊対策手段として実際に機能し始めています。

4. ASOLABが考える今後の展開

株式会社ASOLAB.では、これまで赤外線撮影・広域点検・自動航行など、
産業や防災の分野を中心にドローンを活用してきました。

近年は、地域の安全や防災に関するご相談の中で、
熊などの害獣対策への活用を検討したいという声が増えています。

今後は、地域の安全対策における課題を踏まえ、
「安全・正確・継続的な監視体制の構築」
ドローン技術で支援していくことを目指しています。
熊などの野生動物対策をはじめ、防災活動や災害後の状況確認など、
行政や地域団体との連携も視野に検討を進めています。

5. まとめ:空から“安全確認”を行う新しい手段

ドローンは、危険な場所に人を立ち入らせず、
上空から状況を確認できる新しい手段です。
赤外線やズーム撮影、自動航行などの技術を組み合わせることで、
熊の出没に対しても安全・迅速・効率的な確認と情報共有が可能になります。

「熊対策にドローンを活かす」ことは、
今後の地域防災・安全管理の新しい可能性のひとつです。

ご相談・お問い合わせ

株式会社ASOLAB.では、ドローンを活用した安全監視・調査・防災支援のご相談を承っています。
赤外線撮影や夜間の安全確認など、現場の状況に合わせたご提案が可能です。
お気軽にお問い合わせください。

※本記事のデータは2025年10月時点の公表情報に基づいています。