2025年8月31日(日)、9月1日の「防災の日」を前に、
飯田市で実施された総合防災訓練に株式会社ASOLAB.も参加しました。
今回は ドローンによる物資輸送 と 配送ルートの安全確認 の2つを担当しました。
また、追加で音声伝達の実証も行いました。
本記事では、当日の活動内容をまとめています。
1.物資輸送訓練


災害時に橋が崩落し、孤立した地域へ物資を届けることを想定して実施しました。
使用機体は Matrice 400 RTK(最大ペイロード 6kg)。
約400m離れた2地点の間を飛行。
H30T カメラと TH4 V2 投下フックを搭載し、物資を対岸へ輸送しました。
飛行高度は40〜50mで飛行させました。
結果
- 物資のドローン輸送に成功、2往復実施
- 物資投下時の操作:飛行高度を最大限に下げ、リモート操作でドローンの投下フックを開放
- 総積載量が6 kgに近い場合でも安定飛行できた(物資4kg)
- 障害物で通信が不安定(物件投下時にプロポと機体の間に植生、操縦者を高所へ移動することで解消)
パイロットの所感
- 荷物を吊るため、減速・加速の操作に注意が必要
- 防災で孤立地域に物資を届ける想定において、Matrice 400 RTKでは飛行距離・重量に制約があり、まだまだ課題が残る
- 実務に活かすには 20kg程度は運搬能力 が欲しい
2.配送ルートの安全確認

災害時の輸送ルートを上空から確認することを想定して飛行しました。
物資輸送と同じく機体 Matrice 400 RTK・カメラH30T を使用し、道路状況を確認しました。
結果
- 空撮映像を災害対策本部(飯田市役所、市長)へリアルタイム配信
- 輸送ルートの通行可否を確認し、地上ルート検証データを取得
- 1-2km離れると通信が不安定となり、RETURN TO HOME(自動帰還)が作動
- Mavic 4 Pro でも検証し、通信可能距離が多少改善
3.共通事項と今回の意義

通信・配信
- FlightHub 2 を使い、空撮映像を複数拠点へ配信
- Starlink を利用したが通信は安定しない時もあり課題が残った
今回の意義
- 大型のフライカートではなく、小型業務ドローン Matrice 400 RTK で実証
- ドローン配送実験はハイエースで運ぶような大型機種が主流だが、
アタッシュケース一つで持ち運べる高機動機体 で検証できたことは大きな成果
4.その他の検証

今回の訓練では、物資輸送・ルート確認に加えて 音声伝達の実証 も行いました。
Matrice 400 RTK に Zenmuse V1(スピーカー) を搭載し、プロポをマイクとして音声を送信。
「ただいま飯田市避難訓練のテスト飛行中です」と上空からアナウンスを行い、避難誘導や現場広報での活用可能性を確認しました。
5.まとめ

今回の訓練は、飯田市が実施した総合防災訓練の一環として、行政と連携しながら参加したものです。
災害時におけるドローンの物資輸送・配送ルート確認・音声伝達の実証を通じて、実際の有効性と課題を確認する貴重な機会となりました。
株式会社ASOLAB.は、今回得られた知見を今後の技術検証や業務に活かし、地域の防災力向上に貢献できるよう取り組みを続けてまいります。
保有機材の公開
今回の訓練で活用した機材をはじめ、株式会社ASOLAB.では業務(点検・測量・3D・空撮など)に関わる最新機材を積極的に導入しています。
保有機材・ソフトの一覧は以下のページで公開していますので、ぜひご覧ください。
※Matrice 400 RTK 、Mavic 4 Proは近日追加予定です。
防災分野でのドローン活用や株式会社ASOLAB.の取組みにご関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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