近年、UAV(ドローン)測量の普及は目覚ましく、これまで時間と手間がかかっていた広範囲の測量も、短時間かつ安全に行えるようになりました。このドローン測量によって得られる高精度な3次元点群データは、地形や構造物を詳細に把握するための非常に強力なツールとして、様々な分野で活用が広がっています。
しかし、この高精度な3次元点群データも、取得しただけではその真価を十分に発揮できません。例えば、『木々が生い茂っていて、本当に知りたい地面の形状が隠れてしまっている』『建物や不要な構造物だけを除去して、純粋な地形データとして活用したい』といったニーズに応えるためには、専門的な知識と手間のかかる処理が不可欠です。
私たちスカイファイト松本は、ドローン測量からこうした複雑な点群データの処理・解析までを一貫して手掛けています。そこで今回は、多くのお客様からご相談いただく点群データの『分類』や『除去』といった処理について、その重要性や具体的な内容を分かりやすくご紹介します。
なぜ点群データの「分類」「除去」が不可欠なのか?

ドローン測量で得られる点群データは、たくさんの点の集まりで、そのままではただの「点の雲」です。このままでは、本当に知りたい情報が隠れてしまっていることも少なくありません。そこで重要になるのが、この点の集まりを整理整頓する「分類」と、特に邪魔になりやすい「樹木除去」という作業です。これらがなぜ測量において欠かせないのか、具体的に見ていきましょう。
分類とは、点群データの片付け作業
まず、「分類」とは何かというと、集めたたくさんの点を、それが「何なのか?」によって仲間分けしていく作業です。例えば、「これは地面の点」「これは建物の点」「これは木や草(植生)の点」「これは電線の点」といった具合に、一つひとつの点にラベルを貼っていくイメージです。

分類をするメリット
1. 解析作業がグッと楽になる
例えば、「地面の形だけを知りたい」という時に、地面以外の点(建物や木など)が混ざっていると分析が難しくなります。しっかりと分類されていれば地面の点だけを選んで使えるので、作業がスムーズに進み、時間も短縮できます。


2. より正確な地図や図面が作れる

例えば、地面の高さを示す地図(DEM)を作る場合、木の上っ面を地面と間違えてしまってはデコボコした不正確な地図になってしまいます。分類で地面の点だけを正確に選び出すことで、本当に正しい地形図を作ることが可能になります。建物や構造物の正確な形を知りたい場合も同様です。
3. ノイズを取り除き、データの質をアップ
点群データには、人や車、鳥などの予期せぬものが写り込んでしまうことがあり、これらがノイズとなり正確な解析の邪魔をすることがあります。分類の過程でこうした明らかに不要な点を取り除くことで、データの品質を高めることができます。

分類されたデータの具体的な使い方
分類されたデータは、目的に応じて様々な活用ができます。
- 地面データだけを取り出す
道路計画、造成計画、災害時の浸水シミュレーションなど、地面の正確な形状が必要な場合に役立ちます。 - 建物データだけを取り出す:
都市計画、建築物の管理、日照シミュレーションなどに使えます。 - 植生データだけを取り出す:
森林の資源量調査、緑地の管理などに活用できます。
スカイファイト松本のUAV点群データ処理サービス

当社ではお客様「こうしたい!」を形にするため、利用目的に合わせて点群データを細かく、そして正確に分類します。
オーダーメイドの点群分類
・地面
・植生
・建物、構造物
・送電線、鉄塔、電柱
・その他(ガードレール、標識、車両など)
「この部分だけを取り出したい」「こういう基準で分けてほしい」といったご要望にも柔軟に対応いたしいます。ぜひお気軽にご相談ください。